線維筋痛症の治療、漢方治療
治療と方針
治療
全身いたるところに激痛が起こる病気。皮膚に触れただけでも痛みを感じることがあり、血液検査、CT、MRIなどは正常です。原因は不明です。 けが等の痛みが原因となって一か所に痛みが生じ、それを契機に全身の線維筋痛症を発症することが知られています。
日本の患者数
人口100人あたり1.7人。200万人近くの患者さんがいると推測されています。 全体の75%以上が女性で特に20-60歳中高年の発生率が高 いと言われています。
診断
首、背中、腰、下肢など全身18ヵ所の圧痛点を4kgの力で押して、痛みを感じる点が11ヵ所以上あれば、線維筋痛症と診断されます。原因がわからない全 身の痛みが3か月以上続いた場合も線維筋痛症と診断できます。
半数以上の患者さんが疲労感、睡眠障害、頭痛、抑うつ状態などの痛み以外の症状を訴えます。
線維筋痛症学会の線維筋痛症の分類
① 緊張亢進型
② うつ型
③ 腱付着部炎型
④ 重複型
線維筋痛症の重症度
ステージ1から4に分類されています。
ステージ1(痛みはあるが、日常生活に重大な影響を及ぼさない)
ステージ2(末端部にも痛みが広がり、不眠、不安、抑うつがあり、日 常生活に障害)
ステージ3(激しい痛みが続き、軽い皮膚、髪などへの刺激でも激痛を 生じる、自力での生活は困難)
ステージ4(激痛のため自力で体を動かせない、ほとんど寝たきり状 態)
ステージ5(激痛で意識障害、目の乾燥、尿路感染、直腸障害、などの 全身症状が出て、日常生活は完全に不可能)
鑑別疾患
筋・筋膜性疼痛症候群があります。
筋・筋膜性疼痛症候群では痛い場所の筋肉に硬いこりがあります(索状硬結と言われて ます)。線維筋痛症では硬いこりはありません。多くの膠原病と、内臓からの放散痛の除外診断が必要です。
治療
漢方治療
線維筋痛症の方の多くは肝鬱気滞の病態を呈しているため疎肝利気、活血が必要となりますが、肝腎の補益、養血が必要な場合も多いです。
漢方治療として報告されている漢方方剤は
柴胡加竜骨牡蛎湯 桂枝加朮附湯 桂枝茯苓丸 十全大補湯 抑肝散
などがあります。個々の病状により選択する漢方方剤は異なってくるため他の方剤を選択する必要もあります。
▼線維筋痛症の診察費について
健康保険での線維筋痛症の漢方治療の費用は、自費(自由診療)と比べますとずっと安くなります。また、保険で使われる漢方は顆粒状に分封されているので、手軽に服用でき、携帯に便利です。保険診療で適用される漢方はおよそ150種類の中から、もっとも線維筋痛症の症状にあった漢方処方を選ぶことができます。
線維筋痛症Q&A
Q1.線維筋痛症の治療になぜ今漢方治療が必要なのでしょうか?
Q2.病院で線維筋痛症と診断されました。こわばり感、倦怠感、睡眠障害、過敏性腸症候群などの症状があります。漢方で治療できますか?
Q4.線維筋痛症の漢方治療の診療最終受付は何時ですか?クリニックはどこにありますか?
Q5.病院で線維筋痛症と診断されています。線維筋痛症の痛みで熟睡できません。漢方でよくなりますか?
Q6.線維筋痛症で複数の痛み止めの薬を飲んでいます。漢方処方薬を併用できますか?
▼関連リンク
女性に多い!肩・腰の痛みは線維筋痛症? [膠原病・リウマチ] All About
Fibromyalgia Network アメリカ合衆国の線維筋痛症のサイト