起立性調節障害専門外来
起立性調節障害は現代医学では自律神経の機能不全による血液循環の不良と言えます。特有の頭痛と肩こりをみとめ、頭痛、頭重は後頭部が中心のことが多いです。早い人は小学生から症状を認めます。思春期にも多くみられ、中学生の15から25%、高校生の15から30%に症状があると言われています。
当病院では、朝起床ができ、授業が受けられる様に治療しています。季節の変わり目や雨の日、台風・梅雨の時期など低気圧になる時に特に症状が悪化する方もいらっしゃいます。この場合は気象病の要素があるといえるため、その点に配慮した治療も行っています。女性の場合、PMS(月経前症候群)を併発していることもあり、同時に治療が可能です。
症状
さまざまなストレスによって自律神経の働きが悪くなると症状が悪化します。
次のうち3つ以上あてはまる症状がある場合は、起立性調節障害の可能性が高いです。午前中に体調がすぐれない人はチェックしましょう。
1.立ちくらみやめまい
2.起立時の気分不良や失神
3.入浴時や嫌なことで気分不良
4.動悸や息切れ
5.朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
6.顔色が青白い
7.食欲不振
8.腹痛
9.倦怠感
10.頭痛
11.乗り物酔い
昇圧剤を使用しても効果がない場合でも、起立性調節障害は漢方処方が効果的なことが多いため、あきらめずに受診してください。東洋医学では水滞、脾・気虚と診断されます。
治療
当院では漢方治療を中心に行っています。自律神経の機能不全は漢方薬が効きやすい病態です。
▼生活習慣
適度な運動…コロナウィルス感染拡大による外出自粛、運動不足によって起立性調節障害が悪化している方が増えています。室内でも足踏み運動などの身体を動かす習慣を心がけてください。弾性ストッキングをするのもおすすめです。
炭水化物、清涼飲料水の過剰摂取は病状を悪化させます。
▼漢方処方
漢方治療では、症状や体質により処方を決めてゆきます。
日本小児東洋医学会の治療の手引きでは起立性調節障害を3タイプに分けて分類しています。
① 精神的ストレスが強い精神身体型
② めまい、脳貧血、動悸などの症状が中心の循環虚弱型
③ 食欲不振や腹痛などが著明な胃腸虚弱型
タイプにより漢方処方は異なります。
➀補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
➁半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
➂小建中湯(しょうけんちゅうとう)
➃苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
などが代表的な処方ですが、当院ではこれ以外の処方もおこない
オーダーメイドの処方で治療効果を上げるように工夫しています。
当院の起立性調節障害専門外来の治療は小学生、中学生、高校生が中心ですが、大人の方でお困りの方もご来院をお待ちしております。
① 起立性調節障害と診断されたが、一般的な治療で症状が改善しなくお困りの方。
② 起立性調節障害に似た症状で検査の異常がない方。
③ 薬物療法(昇圧剤)と漢方処方の併用ご希望の方。
の当病院への御来院をお待ちしております